IP無線機のデメリットは?他の無線機との違いを解説
気になるIP無線にデメリットはあるのかを検証
無線機には特定小電力無線機やデジタル簡易無線機、MCA無線機など様々な種類があります。
中でも歴史の新しい「IP無線機」は、通信エリアの広さや使い勝手の良さから多くの企業や団体で導入が進んでいます。
一見するとデメリットの無さそうなIP無線機ですが、使用する際には注意しておかなければいけないポイントも。
ここでは、IP無線機のデメリットに焦点を当てて、特徴や機能、他の無線機との違いなどを解説していきます。きちんとデメリットも理解したうえで、導入するかどうかを検討してみてくださいね。
IP無線機のデメリットとは
IP無線機とは、大手通信事業者の回線を利用してデータ通信を行う無線機のことです。
パケット通信の仕組みを利用することで、電波の強さや距離に影響されず安定した通信ができるのが特徴。
従来の無線機と比べて非常に使い勝手の良いIP無線機ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 毎月のコストがかかる
- まれに通信障害が起こる可能性がある
- 山岳地帯など一部のエリアでは通信できない
それぞれデメリットについて、他の無線機と比較しながら詳しく見ていきましょう。
毎月のコストがかかる
IP無線機を導入する際に最も気になるのが初期費用や月額料金などのコストです。
お互いの電波をキャッチして通信を行う特定小電力無線機やデジタル簡易無線機の場合は電池式であることが多いので、かかる費用は機器代のみ。
レンタルする場合は月々のレンタル料金がかかりますが、IP無線機と比べると安価です。
IP無線機はパケット通信を行うため、機器代の他に毎月の通信料金が発生するというデメリットがあります。多くのメーカーでは定額制となっており、使い過ぎなどを心配する必要はありませんが、トランシーバーなどと比べて費用がかかることを覚えておきましょう。
中には従量課金方式(使った分だけの通信料金が請求される仕組み)となっているメーカーの場合もあるので、事前に料金システムについては確認することをおすすめします。
レンタルの場合は月々のレンタル料金に通信料金が含まれていることが多いです。
1台あたりの価格相場は短期レンタルで日額4,000円程度、長期レンタルでは月額3,000円程度となっています。
複数のメーカーを比較して、予算内で利用できるところを探してみてくださいね。
まれに通信障害が起こる可能性がある
携帯電話の場合、アクセスが集中することでビジー状態になるというデメリットがあります。
特に通話に関しては制限がかかりやすく、花火大会など多くの人が集まる場所で、電話が繋がらないといったトラブルを経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
IP無線機も携帯電話の回線を利用しているため、同じく通信制限のリスクというデメリットを抱えています。
ただしIP無線機はメールやインターネットと同じパケット通信を利用しており、音声通信と比較すると影響を受ける可能性は低いです。
多少の人混みであれば問題なく通信できるので、大きな影響はないでしょう。
IP無線機はこれまでお話ししてきたように、電話のように発信制限がかかる可能性が少なく、インターネット環境下であれば山岳地や高い建物に囲まれた場所でも繋がることができるので、災害時や緊急時の連絡手段として、BCP対策の一環として導入検討中の方にもおすすめです。
インターネット環境下以外では通信ができない
先ほどBCP対策としておすすめであるとご紹介しましたが、IP無線機は音声通話が困難なエリアでもインターネット環境下であれば通信ができます。しかしこれを言い換えるとインターネット環境下外部では通信ができないということを意味します。
あまりにも深い山岳地帯や地方など、インターネットの回線がカバーできていないエリアではIP無線機の通信もできないので注意しましょう。
とは言え、今や全国ほとんどのエリアで携帯電話を使うことができます。
近距離であっても障害物の影響などで交信が不安定になりやすいインカムやトランシーバーと異なり、IP無線機は距離を問わず安定した通信が可能です。
山中で作業が必要な業種をのぞき、多くの業務やイベントなどでIP無線機は活躍してくれるでしょう。
電波が入るエリアの場合はIP無線機、圏外となるエリアではトランシーバーなどの特定小電力無線機という形で使い分けるのもおすすめです。
他の無線機にはどんなデメリットがある?
ここまでIP無線機のデメリットについてお伝えしましたが、IP無線機はデメリットよりもメリットの方が圧倒的に多く、使い勝手の良い無線機です。
携帯用に便利な小型サイズのものや、車載型・半固定型など端末の形状も様々で、幅広い分野で有効活用されています。
IP無線機の主な特徴として、以下の3つが挙げられます。
- 通信距離が広い
- 通信が安定している
- セキュリティ面も安心
上記の項目について、特定小電力無線機・デジタル簡易無線機を含めた3つの無線機で比較してみましょう。
通信距離
IP無線機は前述した通り、通信距離の制限はありません。
携帯電話の電波が入るエリアであれば、全国どこでも、どれだけ離れていても通信を行うことができます。
障害物の影響も受けないため、屋内外や地下でのやり取りもスムーズです。
特定小電力無線機は100m~300m程度、デジタル簡易無線機は1km~5km程度の範囲でしか電波が届きません。
インカムやトランシーバーなどの特定小電力無線機は障害物の影響も大きく、壁を隔てるだけでも通信が不安定になるというデメリットがあります。
ワンフロアの飲食店や展示会などでは活躍しますが、それ以上の場所では使い勝手が悪いです。
圏外になるエリアでない限り、IP無線機を利用した方が間違いないでしょう。
その他、広範囲での通信ができる無線機として、MCA無線機などもおすすめです。
ただし、通信距離が広い無線機ほど購入やレンタルにかかる費用が高額になるというデメリットもあります。
通信距離とコストの兼ね合いも踏まえて適した無線機を選ぶようにしましょう。
通信の安定性
IP無線機は携帯電話の回線を利用しているため、場所や時間帯に関係なく安定した通信を行うことができます。
また音声通信ではなくデータ通信が採用されているので、回線の混雑や通信制限が起こる可能性は低いです。
災害時などアクセスが集中しやすいシーンでも、IP無線機ならスムーズに連絡が取れるでしょう。
IP無線機にはGPS機能が付いているタイプも多く、発信者の位置情報を知らせて安否確認を行うといった活用方法もあります。
1対1での通話が基本となる携帯電話と異なり、IP無線機は同時に複数人に対して発信ができるのも特徴です。
特定小電力無線機やデジタル簡易無線機は周りの障害物による影響を受けるだけでなく、妨害電波などによっても通信に支障をきたします。
些細なことで通信が不安定になるデメリットを持っているので、緊急時の連絡手段としてはあまりおすすめできません。
セキュリティ
IP無線機は暗号化によってセキュリティ対策のとられた通信が行えるため、特定小電力無線機やデジタル簡易無線機よりも安全性が高いです。
送受信の際にはIPアドレスが活用されており、指定した相手以外のところへ通信が入ってしまうといった心配も無用です。
特定小電力無線機やデジタル簡易無線機は直接電波をキャッチして通信するため、近くにある別の無線機の電波を拾うというデメリットがあります。
混信によって全く知らない相手の会話を傍受してしまったり、逆に自分の会話を盗聴されてしまったりするトラブルも少なくありませんでした。
個人の趣味範囲での利用であれば良いですが、業務利用など重要な情報のやり取りが発生する場合、混信トラブルが起きることは避けたいですよね。
必要な相手にのみ、的確に通信を行う手段としてもIP無線機は有効と言えるでしょう。
IP無線機を使うならアプリがおすすめ
NECネッツエスアイでは、IP無線機の機能をスマホで再現できるIP無線機アプリ「スカイトランシーバー」の提供を行っています。
スカイトランシーバーは高音質と性能を誇り、累計利用者数が10,000人を突破した人気のアプリです。
スカイトランシーバーには以下の機能が搭載されています。
- 音声発信機能(1対1・1対多数)
- 音声の録音・再生機能
- チャンネル作成機能
- テキストチャット機能
- GPSによる発信者位置情報管理機能
スカイトランシーバーはiPhoneやAndroidスマホにインストールするだけでその日から利用することが可能。
スマホがそのままIP無線機になるため、機器代などの初期費用もかかりません。
料金は1ユーザーにつき月額1,100円(税込み)となっており、解約による違約金なども発生しません。
スカイトランシーバーはIP無線機のデメリットを解消し、なおかつスマホのメリットも追加された便利なアプリと言えます。
IP無線機の導入をお考えの方は、アプリ版の利用も合わせて検討してみてくださいね。
まとめ
- IP無線機は利用コストや通信エリアの面においてデメリットもある
- デメリットよりもメリットが大きく、幅広い分野で活躍が期待できる
- コストを抑えてIP無線機を利用したい場合はアプリがおすすめ
NECネッツエスアイのスカイトランシーバーは、無料で14日間のお試し利用が可能です。
コストなどのデメリットを解消し、使い勝手の良さがアップした最新のIP無線機を試してみてくださいね。
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